美しさは設計できる — AK²Lab の由来

プログラマーはデザイナーに憧れ、デザイナーはプログラマーに憧れる。この業界には、そういうところがあります。

私はもともと、ロジックの側の人間でした。仕様を詰め、構造を設計し、コードで組み立てるのが仕事で、得意でもありました。その傍らで、デザインにはずっと憧れていて、何度か手を出してみましたが、うまくいきませんでした。デザインは生まれ持ったセンスの世界で、自分はその外側にいる。長い間、そう思っていました。

Webデザインは、センスではなくスキルだった

Webデザインを本格的に学び始めて、最初に覆されたのは、そこでした。

美術でいうデザインと、Webデザインでいうデザインは、別物です。Webデザインは、多くがパターンです。余白の取り方、文字の組み方、色の選び方、視線の流れなど、そのほとんどに定石があって、積み上げれば確かな水準に届きます。つまり、センスではなくスキルです。

ロジックの側にいた私には、ありがたい話でした。パターンなら学べます。定石なら、計算できます。

スキルは、繰り返すうちにセンスになる

計算ずくのデザインを何十、何百と重ねるうちに、ある時から、いちいち計算しなくても「ここはこう」と手が動くようになりました。厳密な計算を繰り返しているうちに、それがいつの間にか感覚に変わっていたわけです。世間がセンスと呼ぶものの正体は、多分これです。

だから、今の私はデザインの多くを手癖で置いていますが、手癖の中身は、計算して設計した構造です。美しさは設計できるという確信が、このラボの出発点です。

AK² という名前

A は Art で、感性と技巧、目に見える美しさを指します。K は Kinetic で、質感を生む、心地よい動きです。そして ²(二乗)は、その二つをロジックで掛け合わせて、価値を二乗に引き上げるという意志を表しています。

論理と美意識は、対立するものではありません。掛け合わせれば、二乗になります。それを試し続ける場所として、この実験室 AK²Lab があります。


この考え方を、制作の途中で引ける形にまとめた資料を Webデザイン制作支援リファレンス として公開しています。